海と自然に囲まれたロケーションの中に瀟洒な家が立ち並ぶ神奈川県の湘南エリア。住宅の素材やデザインへのこだわりも強く「湘南スタイル」と呼ばれる住まいや住まい方がブランドとして確立されている。そんなエリアに今春オープンしたペイントショップの「ベンジャミンムーア湘南ショールーム」。ショップオーナーの金光裕也さん(写真)は「ペイントに反応してくれるお客様が多そう」と、湘南エリア特有の空気感に期待を高めている。

同ショップは、米国・ベンジャミンムーアペイントの国内総輸入元B.M.ジャパンの10店目の加盟店として今年3月、神奈川県藤沢市にオープン。

オーナーの金光さんは塗装職人から会社を興し塗装会社(Y・K Reform)を営む傍ら、「元々、アメリカ特有のペイントのテイストに興味があり、ベンジャミンムーアペイントの施工に携わりたかった」とB.M.ジャパンの東京・青山本店に直談判。同店が請けた店舗や住宅、オフィスなどの施工スタッフとして、一般的な塗装から特殊塗装までベンジャミンムーアペイントの施工を数多く手掛けてきた。

そうしたペインターとしての関わりの中で「ペイントで彩られた豊かなインテリア空間をもっと多くの人に楽しんでもらいたい」との気持ちが高まり、物販にも乗り出すことを決意、今回のオープンとなった。B.M.ジャパンの加盟店の中でも現役の塗装職人がショップを開いたレアなケースだ。

「アメリカに駐在していたときにベンジャミンムーアペイントをよく見かけていたようで、『懐かしい』と言って入ってこられるお客様もいます。海外に住んでいてペイントに親近感を持っている方や、住まいにこだわる生活感度の高い人が多いなどペイントが響く地域だと思います」と、それを見越してこのエリアへの出店を決めた。

ショップの前の道は湘南の海岸線に続く国道467号線が通っており、「週末は車がほとんど動かないほど大渋滞する道で、車の中の人たちが当店をずっと興味深そうに見ています」と金光さん。車の中からショップのウインドー越しに見える3,600色のカラーディスプレイや金光さんが壁を塗り替えているパフォーマンスが格好の宣伝となり集客効果が高まってくることを期待。絶好のロケーションを強みに販売につなげていきたい考えだ。

「壁の1面だけでも色を取り入れることで部屋の雰囲気がガラッと変わり、普段の暮らしが楽しくなります。住まいと色の関係性みたいなものを地域に広げ、将来的には外壁の塗装リフォームでも色をおしゃれに使う地域文化につなげていければ理想的。そのとき、色を全面に押し出している当店だからこそ圧倒的な強みになると思うのです」と、本業の塗装工事業へのシナジーも狙っている。