カラーワークス(本社・神奈川県大和市、社長・秋山秀樹氏)は新事業「カラースタンド=COLOR STAND」の展開に着手する。20数年にわたるカラービジネスを集約したコンセプチュアル(概念形成)な事業を構築していく。

カラースタンドはスモールショップスタイルをベースに、スタンド形式のコンパクトなスペースでインテリアペイントを通してカラービジネスをスタートさせることができる。スタンドにはカラーツール(色見本帳など)の他、必要最低限の在庫を収容する。スペースは数坪で、スタンド設置には自由度がある。また導入の初期投資は100万円程度(予定)に抑えることができ、投資リスクを低くしている。

この背景には、カラーワークスが創造してきたカラービジネスの波及がある。昨年より募集を開始したインテリアペイントチーム「ドリームチーム」からは施工サービスを提案できる機能が欲しいとの要望があった他、同社との提携を考える企業からカラービジネスの拠点となる業態を求める声が強く出されていた。

このため同社はカラービジネスのノウハウを集約した形でのショップとは何かを模索する。市場ニーズを「カラービジネスをスタートさせたが、低リスクで順次拡大したい」に絞り込む。同時にインパクトのある提案型ショップをコンパクトにするため、スタンドスタイルを創造する。カウンターと壁面をセットにしたスタイルで、ほぼ1坪のスペースに収まる。

難題はインパクトのある形態にある。色彩の遊び心を失わず、カラーバリエーションの柔軟さを訴えるコンパクトスペースとは何かの発想から、削るべき要素を削除し、色彩提案の基本(原点)に立ち帰る。原点とはカラーコミュニケーションによる共感ビジネスに他ならない。一方通行ではなく、カラービジネスは双方向性で作り込むところに魅力があるからだ。それはカラーワークスが「カラービジネスとは何か?」を試行錯誤して実感してきた立場。それはスタンドという形態にはっきり示されている。

顧客と対面する形式はテーブルよりスタンドの方が親近感がある。常に正面に向き合う形になるからだ。しかもコンパクトスペースには「色で遊ぶ」ツールが揃えられ、双方のイメージをその場でクロスさせることができる。

こうした親近感のあるスタンドスペースは、コンパクトなところから業態を超えた設置が可能になる。インテリアショップの一角から塗料店や塗装店の提案コーナーとして利用ができる。狙いについて秋山社長は「インテリアペイントへの関心は盛り上がってきていますが、それの受け皿がない。このままではしぼんでしまいかねません。必要最低限の機能を持つスタンドを普及させることで、インテリアペイントニーズ吸収の一次的な受け皿をつくりたい」と話す。

カラーワークスではカラースタンドの参加条件は「カラービジネスのスタート事業を始めたい意欲」と、カラーワークスと共同でカラービジネスに情熱を持つ企業とタイアップしていく。カラースタンドを軌道に乗せ、事業拡大を一体となって展開する。当面は全国に100店程度でネットワークを構築したい意向。人材(スタッフづくり)の支援もしていく。

ニューテクスチャー展開

カラーワークスはイタリア発のテクスチャーペイント「VAL PAINT(ヴァルペイント)」の扱いを開始する。同社はペイントカラーと造形性の融合をテーマに新たな意匠提案を模索している中で、ヴァルと出会った。

日本での代理権は某大手メーカーとの争いとなったが、ヴァル側の経営陣はカラービジネスの熱意でカラーワークスと契約。資本力ではなく、カラーに賭ける意気込みを相互に評価したかたちとなった。

ヴァルペイントのカラースキームはある意味とてもシンプル。テクスチャーペイントというと、常識的には特別な技法が不可欠で、プロのペインターでも研修が必須となる。これに対しヴァルペイントの発想は素人でもできるテクスチャーペイントの世界を目指したところに画期性がある。

施工の簡便性とともにテクスチャーの多様性を同時に確立。従来のテクスチャーペイントのレベルを大きく超えたバリエーションを実現した。立体感のある発色性はエージングやサビ調など、従来の表現を上回る造形性がある。しかもどのテクスチャーも調色が可能。

その秘密は塗料組成にあるようだ。詳しいことは明かされていないが、粘度が高く、通常のペイント液とは様相が違う。高い粘度には専用の顔料が使われ、発色性をコントロールする。「とにかく今までのテクスチャーペイントにはない表現力が魅力」(秋山社長)。

同社はハイグレードなテクスチャーアイテムとして、ハイセンスニーズに応えた展開をしていく。