グラコは9月5日、全国の主要代理店を対象に新製品発表会を開催した。建築塗装関連製品の発表会は6年ぶり。約25名の参加者に対し、小林茂社長は「人口が減少する中において、一人ひとりの生産性を高める必要がある。建築塗装においても機械化は重要な課題。当社としても塗装生産性の向上に応えていく用意がある」と述べ、技術革新による成長拡大へ強い意欲を示した。

今回、新たに投入するのは、新型コードレスエアレスガン「ULTRA」シリーズと新型HVLPシステム。

「ULTRA」は、前身の「TRUECOAT」をフルモデルチェンジした新シリーズで、軽量化を図り操作性を高めた。特に塗料カップを真空化することで、上下逆さでの使用を可能にしたのが最大の特長。CEDマネージャーの前川和大氏は「入り組んだ場所でもカップの位置を変えることなく、どの角度からでも塗装できる」と利便性の高さをアピールした。

シリーズは、「ULTRA CORDED」(水性塗料対応コード付き)、「ULTRA CORDLESS」(水性塗料対応コードレス)、「ULTRA MAX CORDLESS」(溶剤系塗料対応コードレス)の3製品をラインアップ。各機種向けに交換用ポンプも揃える。

新型HVLPは、本来の特性である美装性、高塗着に生産性をプラスした製品。ニードル部の構造を変えたことで従来比4倍の生産性を確保。また従来オンオフのみだったエアー量をダイヤルで調整を可能にした他、スマートスタート機能を搭載。トリガーを引いた際にのみ、タービンが稼働する新機能で非塗装時はタービンが停止し静音になるのが特長。「これまでHVLP=温風というイメージで使われているが、元々はタービンの熱によるもの。作業時のみタービンを稼働させるため、機械の長寿命化に寄与し、本来のHVLPの性能を発揮できると考えている」と長寿命化を訴求した。

また塗料カップを真空化するガンユニットとの組み合わせにより、「ULTRA」同様、自在な角度で塗装できる施工性を備えている。

デモ塗装を体験した機械商社の担当者は、「コードレスエアレスガンは、防食用途やドア塗装などの用途で重宝されている。新製品は吐出の脈動がなく、軽くて扱いやすくなった」と高評価。その他、塗料とのセッティングやポンプの交換方法について熱心に学ぶ姿が見られた。