好川産業がユニークなローラーハンドルの開発を進めている。塗装用のローラーを、あたかも左官ゴテのように操れる「コテローラー(仮称)」だ。これまでのローラー作業では成しえなかったパターン塗装や、通常のローラーハンドルでは塗りにくい高粘度塗材の塗装などローラー作業のバリエーションが広がる。

同品の開発のきっかけは、気鋭の塗装団体による海外のボランティア塗装でのエピソード。建物の内装塗装で材料を壁に配って塗ろうとしたところ、気候の影響などで塗料がローラーにまとわりつき、作業ができなくなってしまった。海外に来てまでのボランティア活動がピンチに追い込まれたそのとき、1人の塗装職人がローラーを直に手に持ちコテのように動かし始めた。これが当たった。扇模様のコテ柄を表現しつつ、あれだけ苦労した現場が見事に簡単に納まった。

団体の中でも人望のあるその職人の発想を称え、多くのメンバーから同社に『ローラーをコテのように操れるハンドル』の開発要請があった。「現場の声を製品開発に反映させる」同社のポリシー通り早速開発に乗り出し、更なる工夫を施した「コテローラー」の開発に目途が立った(実用新案登録済)。

来春の正式発売を前に、まずは同団体向けにモニタリングを兼ねた販売を開始。「壁面と平行にローラーを操れることで、従来のローラー作業の概念を超えた塗装のアイデアが広がる」とし、多彩な利用方法を提示していきたい考えだ。