大同塗料は、昨年秋、厚膜型水性2液エポキシ樹脂系塗床材「ユカクリート 床ひらり」を投入。「昨年はコロナ禍で思うような動きができなかったが、今年は販売拡大につなげていきたい」(担当者)と今年から営業展開を本格化させる。

同品は、1mm以上の厚膜仕上げを可能にしつつ、室内濃度指針物質、毒劇物、特化則の適用を受けない環境配慮型塗り床材。これまで厚膜タイプの環境配慮型製品として主流を占めてきた水硬ウレタン及び無溶剤エポキシに加わる新規品目として位置づける。

ターゲットに据えるのは、水硬ウレタンと無溶剤エポキシの中間領域。

水硬ウレタン「レジモルハードUW」は2~7mmまで要求物性に応じた厚膜仕上げができる一方、目地切りを必要とする点や失敗時の剥離が容易でないなどユーザーが専門技能者に限られる。一方の無溶剤エポキシは、下塗時における溶剤系プライマーの使用や上塗りの希釈としてシンナーを若干量入れるケースもあり、臭気が敬遠される物件には適さないなどの課題がある。

同品はそうした双方の課題を補ったのが大きな特長。旧塗膜(アクリル・エポキシ)がある際は、そのまま1回塗りで仕上げられる他、塗膜強度を示す落球衝撃試験(1kg・1m)は10回をクリアし、無溶剤エポの10倍の性能を保持する。

製品構成は、下塗り(主剤・硬化剤・専用骨材・専用希釈剤)と上塗り(主剤・硬化剤・専用着色骨材・専用希釈剤)。

専用希釈剤は標準型、夏型の2種類をラインアップ。軽歩行可能時間は、10℃・16時間、20℃・14時間、30℃・16時間。

物性ニーズに応える環境配慮型製品の開発を進める一方、新たな成長領域に据えるのがデザインニーズへの対応。 

数年前に水系1液クリヤーを上市した当時は、ニーズの有無が不透明だったが、「店舗関係や設計関係を中心にコンクリート素地の風合いを生かしたクリヤー仕上げが増えている」とクリヤーニーズの存在に手応えをつかんだ。予想を超えるヒット製品に成長している。

今年2月からは更に塗膜物性を高めた水系2液型クリヤーを投入し、販売展開を積極化させていく。

新製品となる「ユカクリート コンクリート用水系クリヤー」は、1液型(屋内)、2液型(屋内外)を揃えた床用クリヤーシリーズ。2液型はアクリルウレタン樹脂を主成分に耐摩耗性、耐水性を保持。無黄変タイプで耐候性に優れる。

施工は下塗り後、同品の2回塗り仕上げ。塗装間隔時間(23℃)は2時間以上7日以内。艶有、艶消を揃える。下塗りも水系でオール水系仕様に対応する。