大谷塗料は木部用着色塗料として展開する「VATON(バトン)シリーズ」の拡販に注力している。「発売して21年が経過し、ユーザーの世代も代わっている。改めて製品の特長を訴求し、ユーザーの拡大につなげていきたい」(担当者)と話す。

同品は塗りやすさ、仕上がり感とともに安全性に配慮して開発した自然系木部用浸透型着色剤。天然植物油を主原料にすることで、シックハウスの原因に規定されている化学物質を配合しない塗料設計を実現した。平成7年の発売以来、高い着色性と塗り継ぎムラ、刷毛ムラを抑えた塗装作業性にファンも多く、同社を代表するブランドに成長した。

その間、同社はバトンの持つ特性を生かしつつ用途や機能に応じた品揃えを拡充。内部用では、自然系水性タイプ「水性VATON」、アンティーク家具のような濃色仕上げを得意とする「VATONウッドプロ」、艶感のある着色仕上げを得意とする「VATONカラーニス」をラインアップ。中でも「ウッドプロ」は、1回塗りで高い隠ぺい性を発揮。最近ではホワイト色やクリヤー色の人気が高まっており、「つや消しクリヤーと混ぜることでアンティークの雰囲気を出すことができる」と新たな意匠デザインに可能性を見出している。

一方、屋外用では「水性VATONプラス」を上市する。植物油を水性化した独自技術により、木目を生かした仕上がり感を演出。外部に必要な木材保護機能を付与した。