トーヨーマテリアが国内で展開しているシッケンズの木材保護塗料「セトールシリーズ」。世界最大の塗料メーカー・アクゾノーベルの木材塗料ブランドとしてグローバルに支持を得ている。国内では、国が進めている木材利用促進施策の影響が徐々に出始めている。1つはW・ALC(ウッドエーエルシー)での採用だ。

W・ALCとは木製のALCのこと。鉄骨造などの構造躯体にカーテンウォールのように使用する木質集成パネルで、平成23年に準耐火構造の認定を取得、木材利用促進につながるとして期待されている新しい建築様式。図書館や集会所のような公共施設の他、復興公営住宅でも多用され始め、木材あらわしならではのデザインや癒しの風合いが人気を呼んでいる。

このW・ALCで「セトールHLSe」の採用が活発化しているのを始め、同じく木材利用促進の観点から注目を集めているCLT(木質構造用材料)の建物でも採用され始めており、「新たな木造建築様式の普及に伴い木材保護塗料の需要が増えることに期待したい」と担当者。

一方、木質建材の付加価値向上へ向けた独自のアプローチも行っている。「板目や節など売り物にならないB級品の板に製材所で塗装を施し、ペインテッド材として商品化するアイデア。例えば腰板セットなどとしてDIY向けに提案すればヒットするかもしれない。塗料の販売面だけでなく製材所や林業そのものの付加価値化にも寄与できるのではないか」と期待を寄せる。