マンション計画修繕施工協会(略称・MKS.A、会長・板倉徹氏)は11月14日、東京商工会議所にて「カーボンニュートラル改修の調査研究報告会」を開催した。マンションの大規模修繕と建て替えにおけるCO2排出量の比較に関する研究結果が報告され、大規模修繕の優位性が示された。オンラインとのハイブリッド形式で行われ、施工会社や設計会社など、会場26名、オンライン31名が参加した。
同協会では、2022年から「マンション修繕・改修、性能工事に係る環境負荷と環境負荷削減貢献量に関する研究」を国士舘大学の朝吹香菜子教授と武蔵野大学の磯部孝行准教授に委託している。今回の研究で、朝吹教授と磯部准教授は、大規模修繕と建て替えではCO2排出量が30~50倍の開きがあることを定量的に明らかにした。
研究対象は、2018~2022年の間に大規模修繕が行われた住戸数60戸前後の中規模マンション。
朝吹教授は14物件の共用部について、大規模修繕で標準的に行われる①下地補修工事②タイル工事③塗装工事④防水工事⑤シーリング工事の5つに関係するCO2排出量を分析。この規模のマンションの修繕工事1回当たりの排出量を割り出した。
一方、大規模修繕では構造躯体(柱・梁・床)は継続利用される。磯部准教授は14物件のうち4物件に対し、コンピューター上に3次元の建築物モデルを構築するBIM(Building Information Modeling)による分析を実施。建て替えで構造躯体を新規構築した場合の排出量を試算した。
結果として、朝吹教授は大規模修繕1回のCO2排出量を概ね5~8kg-CO2/㎡と算出。内訳として、屋上やバルコニー、廊下で使われる防水用塗料・シートや外壁用塗料の製造時における排出量が大半を占めた。
対して、磯部准教授は構造躯体を構成する鉄骨・鉄筋とコンクリートの量を推定し、関係するCO2排出量を300~424 kg-CO2/㎡と算出。大規模修繕と建て替えの環境負荷の違いを数値で見える化した。
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