ロックペイントは9月、鋼構造物用水系塗膜剥離剤「ロックリムーバーAQ」を発売した。道路橋など鋼構造物の塗膜剥離剤市場に新たに参入する。好評だった金属塗装向けの塗膜剥離剤技術を鋼構造物用途にブラッシュアップ、国土交通省のNETISに登録されたことを機に市場参入した。社会インフラの維持メンテナンス市場に挑む。

同社は以前から工業塗装や自動車補修分野などで金属塗装向けの塗膜剥離剤を展開、市場で高い支持を得ていた。その剥離剤技術をベースに鋼構造物向けに新たに開発、今般NETISの登録受け発売に踏み切った。

新発売した「ロックリムーバーAQ」は、とりわけ塗膜の剥離性能に自信を持つ鋼構造物用の水系塗膜剥離剤。「当社が培った分散・乳化・レオロジーコントロール技術により付着効率と液だれ防止性を高めた」(担当者)と説明。液だれが少ないため塗布量をコントロールでき、剥離ムラも抑制。乾きにくく有効成分が長時間持続することで、より深く旧塗膜へ浸潤、スクレーパーや皮スキなどできれいに剥がすことができる。

また、塩素系有機溶剤(ジクロロメタン)を使用せず、水系で低皮膚刺激性、低臭など人体や環境への負荷が少ない製品。湿式工法のためPCB・鉛・クロムなどの有害物質が飛散せず、剥離塗膜の回収手間や廃棄物の発生量を抑えることもできる。

用途は道路、橋梁などの鋼構造物の旧塗膜剥離で、A塗装系、B塗装系、C塗装系の他、タールエポキシ樹脂、フェノール樹脂MIO、エポキシ樹脂MIOなどの有機系旧塗膜に適応。

容量は16kg入りの他、現場における試験塗装用に1kg入りのサイズも揃えた。「剥離剤の選定に当たっては、現場で旧塗膜への適性を確かめる試験塗装が一般的に行われており、そこでの使い勝手を考慮して1kgサイズも揃えた。まずは試験塗装で試していただき、性能本意で本採用につなげていきたい」と新分野に臨む。