タクボエンジニアリングと武蔵塗料ホールディングスは10月、鏡面仕上げの量産対応を可能にした「インジウム ミラーコーティングシステム」を共同開発し、市場展開を始めた。

同システムはめっき代替を実現する表面処理加工技術で、特殊塗料と専用塗装装置によって量産化を可能にした。エンジニアリングメーカーと塗料メーカーのタッグによって実現した。

今回、武蔵塗料が開発した特殊塗料「ECO MIRROR49」(エコミラー49)は、インジウムを使用することでミラー層を形成し、かつ艶あり、艶消し、着色などの意匠性鏡面仕上げを可能にしたのが特長。また自動車部品への採用を見据え、ミリ波レーダーの透過性を確認するとともに、銀コロイド、銀錯体を不使用にしたことで従来の銀鏡塗装の課題とされてきた耐候性、耐食性を確保した。

一方、タクボエンジニアリングは独自の回転塗装「Rの技術」を応用し、「エコミラー49」における超薄膜多重塗り塗装システムを開発。塗料消費量を最小限に抑えつつ、1つのロボットで3コートを可能にするなどユーザーの生産量に応じたシステム構築を実現する。

市場ではこれまでも銀鏡塗装の採用実績はあるものの、塗装品質の安定化や環境、コストなどの問題から量産対応に至らなかった経緯があり、両社としてはライン化を実現した新システムとして、めっき処理からの代替提案を積極化していく構え。ターゲットとする用途は、めっき加工処理が必要な製品・品目。当面は自動車の内外装部品、エンブレム類を中心に、ドアや窓のノブ、鍵、眼鏡、IT機器といった工業製品分野での採用を目指す。

販売は、タクボが販売元として塗料と装置のセット販売を行う。また装置設置後の塗料もタクボが販売し、実際の塗料供給とサービスは武蔵塗料が担当する。