塗料販売と塗装技術の"二刀流" 意匠性塗装を展開

工業塗装分野をメインとして事業を展開するインテック日塗は、塗料販売だけでなく技術を強みとした塗装業務を推進し事業拡大を図ってきた。塗料販売と塗装技術の"二刀流"を訴求し、自ら塗装需要を獲得することで更なる成長を目指す。


同社の特徴として、塗料販売店として工業用塗料を中心に材料販売を行うと同時に、塗装技術を生かした事業にも積極的に取り組んでいる。売上の約半分が販売ではない別事業から構成されていることからも分かるように"二刀流"が確立している。

販売以外の事業として展開するのが塗装事業だ。建材用塗料を扱っていることから建材の塗装にも携わってきた経緯があり、塗装事業を展開する際、補修と意匠性の2つがキーとなる。

同社では建材の劣化に対して補修工事を請け負っているが、強みとしているのが単に補修するのではなく塗装技術を生かした補強仕上げだ。

建材である押出成形板の補強の大まかな仕様としては、建材の既存塗膜にプライマーを塗ったあとに炭素繊維を埋め込んで上塗りを行う。強度を上げる炭素繊維を活用するための塗装技術が生かされている。

建材メーカーと連携を取りながら同社が工事を請け負う。自社職人がいるものの、工事件数が多いため協力塗装業者のネットワークを使用して広く現場を手掛けている。

意匠性塗装「UNITE」展開

もう1つの強みとしているのが意匠性を前面に押し出した塗装仕上げ。特殊塗装を得意とした自社工場を静岡県焼津市に構えるとともに、協力工場5社のネットワークと連携しながら事業を展開している。

「UNITE」ブランドとして屋外用建材向けで展開しており、ユニークな意匠性で建築物を表現する。種類は木目調や鉄、金属、石、砂といった素材を表現するデザインをラインアップしている。デザインは同社が開発し、協力工場との連携により、小ロットから量産まで対応する。

本社のすぐ近くに東京営業所を兼ねたショールームを開設しており、デザインだけでなく建材が使用される環境や予算に合わせた提案を行う。

展示会に出展するなどして「UNITE」の情報発信を積極的に進め、広く展開していきたい考え。

塗料販売店である同社が意匠性塗装を開発し、自ら塗装需要を生み出すための営業活動を積極的に行う。そうして獲得した塗装仕事は、量産の場合、本来であれば顧客関係である塗装会社に発注する流れ。

同社にとっては営業力を生かして意匠性塗装を広く展開でき、一方の塗装会社からすると、営業力に課題があったとしても自社の量産技術を生かして受注できる仕組みと言える。顧客を含めた周りと連携することで塗料販売の枠を越えた事業を行っている。

更に塗料販売店として色の管理も強みとしたカラーコーディネーター業務も行っている。店舗や施設といった物件ごとの塗装工事に関して、販売や納入だけでなく色の管理についても関わることで円滑な工事をサポートする。

案件ごとに使用する色が決まったとしても、製造ロットや塗装工場(膜厚、乾燥条件など)によって色ブレなどの問題が生じることがある。そこで同社が塗料及び塗装のノウハウを生かして施主、塗料メーカー、塗装工場と連携を密にすることで問題発生を防ぐ。

塗料・塗装の流通を担う塗料販売店として培ったノウハウを技術に落とし込み業務拡大を図っている。



「塗料販売と塗装技術の二刀流を訴求する」と営業部・先城吏空氏
「塗料販売と塗装技術の二刀流を訴求する」と営業部・先城吏空氏
 意匠性デザインを積極展開
意匠性デザインを積極展開

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