大井産業(本社・福岡県福岡市、社長・波多江正樹氏)は、韓国・BRTECH社の塗装シミュレーションシステム「E-CO PAINTER」を国内で初めて導入する。4月12日、13日に九州国際センターで自動車・建築関連総合機材展「第47回大の市」を開催し、来場した顧客に実機を披露した。今後は同社研修センターに設置し、サービスに活用する。
「E-CO PAINTER」は、塗料やブースを使わずにリアルな塗装感覚が得られる塗装シミュレータ。ガンを用いて水及び空気を吐出すると専用パネルが反応し、実際に塗装したかのようにパネルの色が染まる。ガン圧力や角度、距離など塗装の繊細な感覚を捉え、色の重なりやタレ、ムラを反映する。吹きすぎた際の塗料のタレ具合は、本物のスプレー塗装さながら。塗装後は膜厚の均一性や塗装軌道、速度などが確認でき、採点機能も有している。
同システムを開発したBRTECHは人材育成、教育用途として韓国の自動車メーカー、自動車学校を中心に導入を増やしており、2年前から日本、米国での紹介活動を本格化。このほど大井産業が国内第1号となる導入を決めた。
実演コーナーでは板金塗装YouTuberとして人気を博すムラマサ氏が同品を紹介。ムラマサ氏は「これほどリアルに塗装を再現したシミュレータは他にない。自分の感覚とのズレも確認でき、教育ツールとして十分に活用できる」と太鼓判を押した。
今後は、同社研修センターに設置し、「当社オリジナルのカリキュラムも作っていきたい」(戸野川秀樹専務)と顧客サービスに活用する方針。BRTECHも「今後は塗料ブランドも選択できるようにしたい」と機能強化に意欲を示した。
"未来の効率を今ここに"の副題がつけられた今回の大の市には、自補修、建築を中心に約140社が出展。各メーカーによる「車両塗装実演」や「スプレーガン試し吹きコーナー」「ちびっこミニ四駆塗装体験」など多彩な企画で来場者をもてなした。中でも初企画のスプレーガンタイムセールに大反響。1時間ごとに限定20機を販売する特売セールに朝から長蛇の列が続いた。