建築塗装分野の機械化を目指すグラコは、職人不足、稼働率向上に寄与するエアレス塗装の優位性をアピールし続けている。

塗料缶に塗装機のチップサイズや吐出圧力が表記されている海外と異なり、日本は塗装機のセッティングを施工者に委ねている現状がある。粘度の異なる多種多様な塗料を使いこなすには相応の経験が必要なことも「機械化を遅らせているひとつの要因」(担当者)と指摘する。

しかし、エアレス塗装機の最大の特長は、「1部屋(60㎡)なら5分程度、200㎡なら15分以内」という施工スピードの速さ。

技能者不足が深刻化する建築塗装分野において、施工スピードを高めることが稼働力向上に寄与し、かつ技能者不足を補うことができるとの見方がある。実際、一人親方の施工店がエアレス導入で大型物件をこなした事例も同社を後押しする。

その中で現在、同社が注力するのは、市場での差別化を図る塗料メーカーとの協業。「塗料に相応しいエアレスをセッティングすることで独自の工法にすることができる」と工法開発を新たな商機に見出している。

内装向けでは、新型コードレスエアレスガン「ULTRA」、超軽量電動エアレス塗装機「GX19」をラインアップ。飛散が懸念される現場では、「新型HVLP」が適する。非塗装時は静音になり、長寿命化に寄与する。