今、ベトナムは7%近い経済成長率、急激な人口増加傾向を示しており、それに伴いホーチミン市内には高層ビルの建設ラッシュが続き、都市開発やインフラ整備が急ピッチで進んでいる。

それを反映する形で塗料需要も急増しており、ベトナム塗料・インク工業会によると、2015年の塗料生産量及び販売金額は2008年と比べると、数量ベースで約2倍、金額ベースでは約2.5倍にも拡大しているという。

用途別で見ると、建築(内外装)58%、木材21%、防食5%、粉体塗料4%、コイル4%、船舶3%、その他5%となっており、建築汎用塗料が圧倒的な割合を占めている。町中では店頭調色システムを備えたペイントショップが点在している。

一方、工業用塗料としては粉体塗料が一般的で、金属焼付塗装では溶剤塗料の使用率は極めて少ないと見られる。高層ビルで使用されるアルミカーテンウォールでも粉体塗装が施されている。現地に拠点を構える日系塗装工場3社の現状を追った。